株式会社JEXS
 ◆圧迫面接の『是』と『非』

従来から行われている圧迫面接についての『是』『非』を考えてみる。


圧迫面接を受けた学生

「いや~、参りました。今日は圧迫面接でした。」
学生と接する機会の多い著者は、このゆうな声を度々聞くことがある。さすがに情報が飛び交う時代。学生は、企業によっては圧迫面接があるとわかっており、『圧迫』という単語を発する。

そんな学生に圧迫面接後の感想を聞くと、大体次の2通りに分かれる。
1.圧迫だとわかっていても頭の中が真っ白になり上手く受け答えができなかった。駄目だろうなという失望感を抱いた。
2.受け答えには特に問題はなかった。しかい、圧迫だとわかっていても後味の悪さが残った。


圧迫面接の『是』

人間は、ストレスをかけると取り繕う余裕を失い本性が出やすい。馬脚を現しやすくなるということである。
上記1.の学生が端的な例である。
自分なりに問答集を用意していたにもかかわらず全く歯が立たなかったという。
これなどは、まさしく圧迫面接の目的が機能したといえる事例である。


圧迫面接の『非』

一方で、2.の学生であるが、プレッシャーを受ける中で堂々とした受け答えができた。要するに、企業として欲しい有能人材である可能性が高い学生である。
しかしこの場合、後味の悪さが残ったというフレーズに着目しなければならない。圧迫だとわかっていても後味の悪さが残るのである。
ということは、志望意欲が減退したということを意味している。
優秀な人材に多くの企業からの内定が集中する現在の採用市況において重要なことは、いかに自社に振り向かせることができるかという点だが、圧迫面接の実施はそういう観点からすれば、マイナス要素しかない完全に時代に逆行する行為なのである。


圧迫面接の実施は選考スキルの低さの証し

前述した通り圧迫面接は、本性をあらわにすることもできストレス耐性等もチェックはできる。
しかしその反面、志望意欲を削ぐばかりか、学生本人が持っている良い部分を引き出すことができない場合が多い。

そもそも圧迫面接をしなくても本人を精度高くみる方法はいくらでもあるのだ。
ということは、『圧迫面接の実施=選考スキルの低さ』を証明していることになるである。


採用選考現場におけるモラル・モラールの低さ

昨今の企業においては、対外的には法令遵守や企業倫理に対して神経質で、また社内においてはセクシャルハラスメントやパワーハラスメントというものに対して必要以上に過敏に反応・対処している。
しかし、採用選考における面接の現場では、相反するような圧迫面接が数多く実施されている。
例えば、面接をボイスレコーダーで録音され、それをweb上で公開されたらどうであろう。
また、「ひどい聞き方をされ、精神的に傷つきました。」というような訴えがあった場合どのように対処するのであろうか。
とりわけ、後者に関しては、モンスターペアレンツ的な非常識な親が訴えを起こしても何ら不思議でない時代背景でもあるので、現実となっても何ら不思議ではない。

つまりは、圧迫面接を実施している企業や人事担当者は、会社で道徳や倫理と叫ばれてはいるが、実際に自分達の行いに対してのレベルまで消化しきれていないばかりか、そもそも圧迫面接などという時代にそぐわないことをアンチテーゼとして考えることすらないのである。
まさしく、モラルとモラールの欠如なのだ。

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